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2006年8月30日 (水)

「生産者のコスト増を代弁する」を読んで

 花の卸売り市場の最大手で大田花きというという会社がある。私の最大の取引先市場である。その会社の社長が、同社のホームページの中でコラムを書いているのだが、今週のコラムがすごくうれしい内容だった(http://www.otakaki.co.jp/blog/ceo/archives/2006/08/post_72.html)。

 実は、ずっと以前から、私もこのことを話題にブログを書きたいと思っていたのだが、生産者がそういうことを書くと花屋さんの反感を買いそうなので、書くのを控えていたのだ。簡単に言うと、生産者はここ数年ずっと、コスト増と単価低迷のダブルパンチの中で、非常に苦しんでいる。さらには、近年の台風や大雪等の自然災害、また今年の石油高騰などには大きなダメージを受けた。生産を諦める生産者が後を絶たない。加えて、海外からの輸入花の増加。

 これらをすべて、競争原理の中のことと言ってしまえば、確かにその通り。市場流通を需要と供給のバランスと言ってしまえば、確かにその通り。だけど、本当にそれでいいのだろうか?

 私が大田花きを最大の取引先に選んでいる理由。それには、私が生産している花が流通量の少ない草花で、東京の最大手である大田花きでなければ扱いきれない、という本質的な理由はもちろんある。だけど、心情的な部分を言えば、大田花きという会社が、生産者と買参人の間で非常に中立的な立場を保ってくれている会社であると感じているからだ。もっと言えば、生産者サイドに立って販売を行ってくれていると私は思っている。その証明が、今回の大田花きの社長のコラムであると思う。

 工業製品やサービス業などは、原油高を容易に価格に転嫁してしまう。だけど、第一次産業はそれが全くと言っていいほど許されない。結局第一次産業だけが利益を上げることができない。それは農耕が始まって以来、変わることのない産業の構造であるとも言える。

 この競争を勝ち抜こうと思えば、他の人よりも低コストで生産し、かつ品質の高い切花を生産し、さらに流通にうまく乗せることができるように、上手な販売戦略を考えなければならない。私は、農業を始めてからずっとそれらを追求し、実際にかなりの部分で達成してきた。そして、かなりの利益を上げられるようにはなった。だけど、振り返って考えてみると、本当にそれでいいのだろうか、と思う。私が低コストで生産し、安値で販売して利益を上げているその向こう側には、販売競争に敗れて生産を諦める生産者が日本のどこかに必ず存在する。それは個々の努力の差だと思ってきたのだが、だけどその前に、夜も眠れないほどに一生懸命に働いて、それでも買い叩かれて涙を流している、産業構造の異常さを是正しなければならないのではないだろうか?

 産業構造の是正が不可能なのであるならば、できる方法は? それが、流通に関わる方々に、ただ需要と供給のバランスだけで農産物を裁くのではなく、生産者サイドの事情を考慮していただけること、また、流通および販売に関わる方々に、日本の農業を守ることは日本の国土を守ることである、という本質的な認識を持っていただけることであると思う。

 食糧自給率も先進国で最低の日本。お金よりも大切なものは何か?、一次産品を扱っている方々には、今一度冷静に考えてみてほしい。

 いよいよ話の本質に入るところなのだが、実はもう眠いので、続きは後日、できれば明日書きたいのだが、仕事が立て込んでいるので、できるだけ近いうちに!!

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