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2008年1月 8日 (火)

人類が現在の危機を乗り越えて、新しい時代を築くためには?

 人類が現在の危機を乗り越えて、新しい時代を築くためにはどうすればいいのだろうか?、ということについて、物思いに耽ることが多いのですが、最近感じるようになったのは、やはり人類は今、越えてはいけない一線を越えてしまっているなあ、ということです。

 それは特に、バイオエタノールが登場したことが決定的だと考えています。

 僕らは、食べ物とエネルギーというのを明確に区別して考えていますよね。たとえば、衣食住の中で、車を動かすガソリンや軽油、家を暖める灯油、照明や電灯のための電気、これらは当然エネルギーですが、では、住宅や洋服、医薬品などはどうでしょう? これらもすべてエネルギーを消費して作られ、現代の社会では必要不可欠なもの、やはりエネルギーとして考えることができます。

 それでは、食べ物はどうでしょうか?

 ウイルスや単細胞生物には、食べ物とエネルギーの区別などないですよね? 植物においてもそうです。実際、植物がわかりやすいですが、土中から水と栄養となる化学物質を吸収し、太陽の光エネルギーで光合成をして、体を作ります。まさに、食べ物=エネルギー。

 では、動物ではどうかというと、食べ物を食べるのは、それを体内で分解してエネルギーを取り出し、体を動かすために使用しています。やはり食べ物=エネルギーであり、また、人間以外の動物で、食べる以外の目的でエネルギーを集める動物など存在しません。要するに、人間以外のすべての生命体は、エネルギーは自分自身の体を作るためと、自分の遺伝子を受け継ぐ子孫のためだけに使っていたのです。

 人類だけが、エネルギーを食べる以外の目的で使うようになりました。人類はアフリカから始まったとされていますが、人類発祥の地は温暖な地域ですから、暖を取ることはなかったかもしれませんが、食べ物を調理殺菌するために薪を燃やしたかもしれません。そのうち人口が増えてくると、活動区域が少し寒冷な地域にまで広がっていったことでしょう。すると今度は、暖を取るために薪を使用したかもしれません。また、住居を作るために、木を利用したかもしれません。

 それでも、産業革命以前においては、せいぜい地上にある、再生可能な資源だけをエネルギーとして使用していました。

 しかし産業革命以後、人間の使うエネルギー量は爆発的に増え、そのことがさらに人口増加に拍車をかけ、人間の使うエネルギー量は今や莫大なものです。どのくらい莫大かというと、たとえば車を走らせるためには、人間が使うエネルギーの100倍~1000倍ものエネルギーを使います。そんな人間が10億人いれば、1000億人分以上の食べ物に当たるエネルギーを消費しているわけです。そのことだけでも、地球が壊滅的な状況に追い込まれていくのは明白なことです。

 しかし今、さらに一歩進んで、食べ物をエネルギーに変換し始めました。バイオエタノール100リットルを作るためには、一人の人間の一年分の穀物が必要だそうです。それが数字としてわかっているのに、今もバイオエタノール事業は世界で拡大を続けています。一方で食糧が不足しはじめ、様々な食料品の価格が上昇し始めています。

 このことの重大性を、ぜひ冷静に、真剣に考えてみてほしいです。

 たとえば、65億人の世界の人が、みな日本人と同じように車に乗り、飛行機に乗り、100円ショップやコンビニに行き、消費生活を始めたら?
1兆人分くらいのエネルギー消費になるでしょうか? それはもちろん、今地上に存在する再生可能な資源では賄いきれませんし、さらに、何十億年もかけて作られた化石燃料をもってしても、賄いきれなくなってきました。
 
 子供の頃、科学の実験で、パンにカビを生やしたりしませんでしたか? カビは数週間もすればパンを真っ青を変え、解放してやると胞子を飛ばしますが、密閉系ではもはや増えることができなくなり、死滅してしまいます。

 人類は今、そんな状況です。地球の表面いっぱいに広がり、地球の資源を消費し尽そうとしています。

 しかし、カビと違う点が二つ。太陽というエネルギー源が、そこそこのエネルギーを供給し続けてくれていることと、人類は智恵を身に付けて、今が危険な状況であることを自ら理解していることです。

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コメント

青い芥子さん、こんにちは。
青い芥子さんと結論は同じ(今が危険な状況であること。何かを転換しなければならない時期に来ていること)なのですが、そこに到るまでの思考が少し違うので書かせてください。
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

>人間以外の動物で、食べる以外の目的でエネルギーを集める動物など存在しません。要するに、人間以外のすべての生命体は、エネルギーは自分自身の体を作るためと、自分の遺伝子を受け継ぐ子孫のためだけに使っていたのです。

全体を要約すると
「人間だけが食べ物とエネルギーを区分していたのに、バイオエタノールの登場で、食べ物をエネルギーに変換し利用するようになった。重大な問題だ。」
__。__。__。__。__。__。__。__。__。

「ものの見方、解釈」の問題だと思うのですが、
蜂は巣を作るためにエネルギーを集めますよね。巣は子孫を残すためのものと言ってしまえばそれまでですが、蜂にとっての「巣」は生活の場であり、国であり、社会機構そのものだと思うのです。だから人間の社会とさして変わらないような気がします。
鳥の中には、メスの気をひくために迷路や芸術的な造形物を作って誘う種もあります。これらを「子孫を残すため」の行為というのであれば、人間が豪華な車を作ったり、立派な家を建てたり、お金を儲けるために株を売買したりするのも、大局から見ればその延長線上にあるような気がします。

それから、人は食べ物とエネルギーを区分していたのでしょうか?
以前の日本では、米やこんにゃく、ニカワ(動物や魚の皮を煮出したもの)で作った糊を生活の中で使っていたし、灯りをとるために食用油を燃やしていました。
たまたま、化石燃料が食べ物にならなかったから、使用量が莫大だから区分しているように見えるだけで、本来人間は最も身近な食べ物から様々に発想していったことを考えれば、区分など意識していなかったのではないかと思うのです。

私は「人間だけが特別な存在」という考え方にはなじめません。人間も生き物の一つにすぎないし、地球上で生かされている以上、その秩序に従っていると思うのです。ただ、他の生き物に比べて大きな力を持っているために、影響力が大きいのが問題です。人間だけが滅亡するならそれはそれで仕方ないけれど、直接的に関係のない多くの生き物を巻き込み、道連れにすることが一番の悪だと思っています。


パンの青カビが密閉系で全滅したとして、そこには嫌気性菌が繁殖し、また別のコロニーを形成していくでしょう。青カビは絶えたとしても、容器の中ではその条件にあった別の生き物が生き続けています。ただし、それは最初に色々な生き物が容器の中に入っていたという前提です。空気中に存在する多種多様な生き物が、芽は出さないまでもそこに存在したからこそ、復活するのです。
もし滅菌された容器に、純粋に青カビとパンだけが入れられていたら、青カビの全滅とともにそこは死の世界になってしまいます。


セイタカアワダチソウが帰化植物として問題視された時期がありました。全国各地の野山に黄色い花が咲き、その面積が見る見るうちに拡大していったのです。でも自家中毒(根からある物質を出して周りの植物を寄せ付けないようにしているが、セイタカアワダチソウだけの大きな群落が完成する頃には自分の放出した物質の濃度が高くなり、それにやられて衰退していく。)をおこし、昔のような隆盛はなくなりました。そしてススキなど他の植物の生育地に変化していきます。

私は最近の地球環境の話を聞くと、このセイタカアワダチソウを思い出します。人間がセイタカアワダチソウであったらと思うのですが、そうもいかないでしょう。
ただ、打開のヒントは「自然」の中にあるように感じています。

投稿: ゆみこ | 2008年1月10日 (木) 17時17分

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